kamikazeoukaのブログ

介護に関わる方とのコミュニケーションのきっかけになれば…

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ジレンマ  後編

ジレンマ 前編続き…

 

入職間もない職員(山田君・仮称)は、中堅職員の言動に疑問を

呈していた。

それは「基本」と「応用」との対立のようなものだった。

 

こんなことで何故私が「ジレンマ」に陥るのか…

 

それは…

 

どちらも間違っていないからなのである。

正しいとは断言しない。

実は「介護」には、これが正解というものは存在しない。

「よりこの方が良い」はあるが、「絶対これである」は

神様にでもならない限り存在しない。

 

そこで…

 

二人共に「君たちは間違っていない」と言ったとしよう…

二人は私の言葉を聞いて、それぞれにこう思うであろう。

「僕のやっていることの方が正しい」

 

二人ともに「君たちの行動をよくよく考えるべきだ」

二人は私の言葉を聞いて、それぞれにこう思うであろう。

「そんなはずはない、僕は間違っていない」

 

どちらか一方だけに「間違っていない・考えるべきだ」

と言った場合どうなるだろう?

これまで同様の場面を、いやと言うほど見せられてきた。

大抵は「あなたの言うことも間違ってませんよ、いろん

なやり方を見て考えることも勉強ですから…」

 

いつもこうだった。これを個別言うものだから、当事者

の二人には必然的に、相手に対する「確執」を生んでし

まっていた。

彼ら二人に対立構造の元、または互いに「侮蔑」を生むことに

なっていた。

 

前編でご紹介したように…

敢えて「囚人のジレンマ」に置き換えると…

個々の満足を優先する「あなたは間違っていない」と個別に言

う状態は「ナッシュ均衡」となり、どちらかに優劣を付けずに

平穏に解決する目的での「二人共よくよく考えて」の発言は、

パレート最適」とでも言おうか…

 

じゃ、このようなケースにおいて、若き二人に対するベストな

進言とはいかなるものなのだろうか?

 

これまでの対応では、何ら解決に繋がらないのは火を見るより

明らかだ。

 

二人の当事者だけではなく、周囲をも巻き込んだこの状態を、

敢えて「囚人のジレンマ」に当てはめてみたのだが…

 

うまく解決したように思っていたことも、個々にとっての合

理的な判断である「ナッシュ均衡」と、二人の利益を最大化

する「パレート最適」、何れも一致しない状態であったこと

が分かるのである。

 

さて、それではどのように対応するのがベストなのか?

その答えは、実証後に報告したいと思う。